Q11-1 猫エイズってどんな病気?
人には感染しません
猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症)は、人や犬など、猫以外の動物には感染しません。(ネコ科の動物には感染するといわれている)
ウイルスにより、徐々に免疫機能が低下していく病気です。
感染経路
主な感染経路は、猫エイズに感染してウイルスを保有する(キャリア)猫とケンカし、咬み傷やひっかき傷からウイルスを含んだ唾液や血液が体内に入ること。
空気感染や日常的な接触(猫同士のグルーミング、食器の共有、etc.)による感染リスクは低いとされている。ただし、多頭飼育の場合は念のため食器の共有を避けるなどの配慮があると安心。
母猫からの母子感染、交尾による感染も可能性はあるが確率は低い。
症状
◆ 5つのステージ(経過と状態のめやす)◆
●ステージ1 感染初期
- 感染から数週間から数ヵ月。ほとんど症状が出ない。
- 一時的に元気や食欲がない、発熱、下痢など、風邪のような症状が出ることもあるが、気が付かないことが多い。
- 日常生活を普通に送れる。
●ステージ2 無症状キャリア期
- 見た目も行動も健康な猫と変わらない。
- 数ヵ月から数年、中には10年以上無症状のまま一生を終える猫もいる。
- ウイルスは保持しているので感染源になる可能性がある。
- 「猫エイズキャリア」と呼ばれるのはこの状態。
- 適切な飼育環境で、普通の飼い猫として暮らせる。
●ステージ3 体調を崩しやすくなる時期
- リンパ節の腫れ、口内炎、皮膚炎、風邪をひきやすくなるなどの症状が現れる。
- 数ヵ月から1年程度継続すると言われている。
- 目立った体調の変化は見られないが、免疫力が少しずつ下がり、小さな不調が出やすくなる。
- このステージに入ったかどうか判断が困難な場合が多い。
- 早めの通院・体調管理で安定して過ごせることが多い。
●ステージ4 慢性的な病気が出てくる時期
- 身体の免疫機能が徐々に落ちることにより、様々な症状が出てくる。口内炎、歯肉炎、皮膚炎、下痢、嘔吐、etc.
- 特に口内炎は、痛みで食事が採れず体重減少したり、毛づくろいできず毛並みが悪くなる、よだれが増えて口臭が強くなるなど、症状を認識しやすい段階。
- 継続的なケアが必要になることがある。
- 飼い主の理解とケアでQOL(生活の質)を維持することができる。
●ステージ5 重い症状が出る時期
- 免疫機能が停止し、さまざまな激しい症状が現れる末期の段階。
- 日和見感染(★)・急激な体重減少・貧血・悪性腫瘍、肝機能腎機能低下、etc.
- 1~2ヵ月で命を落とす事が多い。
- 高齢期と重なることも多い。
- すべての猫がここまで進行するわけではない。
★日和見感染とは???
普段は体に悪さをしないウイルスや細菌が、免疫力が弱った時に起こす感染症のことです。
検査
猫エイズは、動物病院にて検査キットによる血液検査(猫白血病とセットが一般的)で調べることができます。保護後や譲渡前に検査を行うことで、その猫に合った生活環境や飼育方法を考えることができます。検査結果は「合否」ではなく、その猫の未来を考えるための情報として受け取ることが大切です。
- 仔猫の場合や感染初期は、再検査が必要な場合がある。
※あわせて Q7-4 も参考にしましょう
治療
根本的な治療法は現時点ではありません。対症療法で免疫力を維持し、症状を改善したり和らげる治療が中心になります。
予防
主な感染経路は「キャリア猫とのケンカによる咬み傷」なので、キャリア猫との接触を避けて暮らす対策が感染リスクを大きく下げるためにとても重要です。
- 完全室内飼育…外にいるキャリア猫との接触を避ける。
- 不妊去勢手術…ストレス軽減とケンカの原因を減らす。
- 定期的な健康診断…猫の健康状態を定期的にチェックし、早期発見に努める。
- 健康管理…清潔で快適な環境を整え、栄養バランスの取れた食事を与える。
猫エイズを正しく知りましょう
猫エイズは、感染したすべての猫が発症したり、
すぐに重い症状が出る病気ではありません。
症状や進行の速さには大きな個体差があり、
無症状のまま一生を過ごす猫も少なくありません。
適切な環境と日々のケアがあれば、猫エイズと共に
穏やかな生活を送ることができます。
過度に怖がる必要はありません。正しく知ることが大切です。





