飼い猫も室内飼育と不妊・去勢手術を
殺処分ゼロへのカギ
猫の室内飼育のおすすめ
「猫を家に閉じ込めるのはかわいそう。出たがるのだから自由にさせた方がいい」と考える方はまだ多く、家の中と外を自由に行き来させている飼い主もいます。しかし、屋外では「交通事故」や飼い主のいない猫・野生動物とのケンカや接触によるケガや感染症のリスクが高まります。さらに、近隣の敷地内で糞尿をして地域の方に迷惑をかけたり、人間から虐待される可能性もあります。
上下運動ができるスペース、毎日のごはん、新鮮な飲み水、清潔なトイレがあれば、室内は猫にとって十分安心できるテリトリー(なわばり)となり、快適に暮らすことができます。
猫を家族に迎えた責任として健康と安全を守り、末永く一緒に暮らすためにも、室内飼育を推奨します。
(動物愛護管理法でも、疾病の感染防止、不慮の事故防止等、猫の健康及び安全の保持並びに周辺環境保全の観点から、猫は屋内飼育が原則化されています。)
不妊・去勢手術の重要性
全国の動物愛護センターや保健所に引き取られ、2023年度に殺処分された犬と猫は計9,017頭で、初めて1万頭を下回りました。これは動物愛護法の改正や、改善に向け取り組んだ動物愛護団体・行政・個人ボランティアなどの努力による成果と言えます。
しかし、猫の殺処分数は6,899頭と、犬の約3倍に及びます。そのうち約60%が仔猫です。(2023年度環境省資料より)
この現状を改善する最も有効な方法は、“望まれない命、幸せになれない命”を生み出さないことです。
飼い主のいない猫を地域猫として地域社会に受け入れる「地域猫活動」が全国で広まり成果も出てきていますが、飼い猫が不妊・去勢手術を受けずに外出している現状では、問題の根本は解決されません。引き取り手が確実にあり、計画的に繁殖する場合を除き、不妊・去勢手術を受けることをおめします。
<不妊去勢手術のメリット>
・性的な欲求不満へのストレスから解放される
・マーキング・異様な鳴き声・他の猫への攻撃などの問題行動が予防できる
・生殖器系の病気のリスクが軽減される(獣医学的に証明されています)