飼い主に必要な10の条件
命を預かる:飼う前に考えよう・・・飼い主に必要な10の条件
あなたがペットを飼うということは、あなたがそのペットの命を生涯預かることです。ペットはあなた以外に頼る人がいなくなるのです。
①住宅がペットを飼える状況にあること
ペットと安心して暮らすためには、ペットを飼える住宅に住んでいることが絶対条件です。また、「ペット飼育可」の集合住宅であっても決められたルールを守り、その集合住宅内はもとより、周辺の住宅や環境への配慮を心掛けなければなりません。
②ペットを迎えることに家族全員の合意があること
ペットを家族に迎えるにあたっては、その家族全員が合意していることが大切です。十数年の寿命を持つ犬や猫を飼う際には特に重要です。
どのような家庭でも、10年以上の歴史を重ねていくうちには、家族構成や生活環境の変化が起こる可能性があります。そのような中であっても、家族全員が動物と暮らすことに合意をしているのであれば、家族に迎え入れた動物もその一員であることが前提となった対応がなされていくでしょう。そうあって欲しいものです。
③動物アレルギーの心配がないこと
家族内にアレルギー体質の方がいる場合には、事前に専門病院で動物アレルギーについても検査をしてもらいましょう。もし動物アレルギー発症の可能性のある場合には、どのような対策を講じるか、飼う、飼わないも含めて家族内で十分話し合いをしましょう。
④そのペットの寿命まで(終生飼養)飼育する覚悟があること
犬も猫も、適正に飼養すれば10年以上生きることができる動物です。動物を迎え入れた家庭は、そのペットの命を、寿命をまっとうするまで預かることになるのです。10年以上にわたって給餌、給水、快適な生活環境、健康管理を続けなければなりません。
ペットを飼いたいと思ったら、このことも十分考えてください。
⑤世話をする体力があり、その時間をさけること
ペットを家族に迎えれば、飼い主は、当然その動物のために時間を割かなければなりません。食餌や水を適切に与え、トイレの掃除、快適な生活空間の維持、犬の場合は散歩、種類によってはブラッシングなどの手入れなど、これらをこなせる時間と体力がなければなりません。
子どもの希望で飼い始める家庭もよくありますが、数か月後には世話は親の担当になってしまった、などもまれなことではありません。
これらのことを十分念頭に置いて、動物種、成長したときの大きさなどを、飼うか飼わないかを含めて、検討して下さい。
⑥高齢になったペットの介護をする心構えがあること
適切に飼育すれば、ペットも長生きします。しかし、それに伴って、ペットも老衰や認知症になるケースが増えてきています。
動物を家族に迎える以上、高齢になった動物の介護をする心構えも必要です。
⑦経済的負担を考慮すること
ペットは生きています。食餌代ばかりでなく、生活用品、ワクチン代など、人と同じようにいろいろな費用が掛かります。特に医療費は、病気やけがによっては思わぬ高額になる場合もあります。
民間会社によるペット保険はありますが、公的な保険制度はありません。動物を家族に迎えれば経済的に負担がかかる、ということも承知しておく必要があります。
⑧必要なしつけと周囲への配慮ができること
ペットと家庭内で楽しく暮らすには、ペットにある程度のルールを覚えてもらう必要があります。
最近では、悪いこと(飼い主にとって不都合なこと)をしたら「罰を与えて叱る」しつけではなく、家族として楽しく暮らすためのルールを「誘導して覚えてもらう」タイプのしつけが主流になってきています。しつけをするのも動物との絆を深め、楽しみの一つとすることができます。
と同時に、飼い主もペットを飼ううえでのマナーを十分こころえ、家庭外、近隣社会に対して迷惑をかけないように配慮することが必要です。
⑨引っ越しや転勤の際にも継続飼養する覚悟があること
家族構成や、生活環境の変化、また、仕事の都合などで転居する必要が生じる場合があります。 しかし、ペットを家族として迎え入れているのであれば、転居先にペット飼育可の住宅を探すなど、ペットの終生飼養を心がけなければなりません。
⑩飼えなくなった場合の受け皿を考えておくこと
これまで、①から⑨までペットを飼ううえでの心構えを考えてきましたが、それでも不慮の事故など、さまざまな事情で飼えなくなってしまうケースが出てくることがあるかもしれません。万が一の際に、代わりに飼ってくれる人を見つけておくことも重要です。