地域猫活動について – 具体的活動
飼い主のいない猫トラブルを解決するために
具体的な活動
飼い主のいない猫が増える原因は大きく二つあります。一つは、猫を捨てる人がいること。「動物の愛護及び管理に関する法律」では、猫に限らず、ペットとして動物を飼い始めた人は、「終生飼養」することが努力義務としてうたわれ、ペットを捨てると、100万円以下の罰金と定められています。動物の遺棄は犯罪です。また、もう一つの大きな原因は、飼い主のいない猫どうしが繁殖して、子猫が生まれることです。
具体的な活動としては
・飼い主のいない猫を今以上に増やさないための活動
・今生きている猫が「地域猫」としてその地域と共生するための活動
・猫による迷惑をできるだけ減らすための活動
・寄生虫や感染症の発生源になることのないよう、猫の健康管理にも留意する
となります。 このなかで重要なのは飼い主のいない猫を今以上に増やさないことです。
猫の数が減れば、猫による迷惑も当然減少します。
不妊・去勢手術(TNR)
子猫が生まれない一番確実な方法は不妊・去勢手術を施すことです。 対象となる猫を捕えて、手術後放します。このことにより、その猫は一代限りとなり、子孫が増えることはありません。この方法をTNR(Trap[捕まえる]、Neuter[手術する]、Return[戻す]もしくはRelease[放す]の頭文字)といいます。 自治体によっては、この不妊・去勢手術に助成金が出るところもあります。活動する地域の区市役所に問い合わせてみましょう。
助成金についてはこちらも参考にしてください。
耳のV字カット
不妊・去勢手術を施した猫の耳には小さくVカットを入れてもらいます。この猫はすでに施術済であることのしるしです。子孫が増えることのない一代限りの猫であることの証明です。
家庭の猫も不妊・去勢手術を
家族として家庭で生活している猫も、繁殖を予定しない場合には不妊・去勢手術をしましょう。万が一外に出てしまった場合に繁殖するのを防ぐことができ、特有の鳴き声やマーキング、生殖器系の病気を減少させることができます。
「置き餌」をしない
「置き餌」をしないこと。食べ残しにカラスやハエなどが集まり、温かい季節には腐敗による悪臭のもと・・・近所迷惑になります。できるだけ決まった時刻に与え、残れば片づけ、掃除をします。 また、「置き餌」は猫にとっては「常にエサがある」状態。時間を決めて与えれば、「エサは人が用意してくれるもの」となり、人にも慣れやすくなり、健康管理もできるようになります。
トイレの問題
誰でもよその猫が勝手に花壇を掘り返して糞をして行ったら不快に思います。エサを与える場所のほど近くにトイレを用意してあげましょう。また、糞をされて困っているお宅があれば、トイレを置かせてもらう交渉をしてみましょう。庭を掘り返される被害が減ることが期待できます。トイレの掃除も活動をしている人が行います。
これからの「地域猫活動」
猫の数が減少すれば被害も減ります。今まで「猫が嫌いだ!」といっていた人も「一代限りなら…」と対応を和らげてくれることも多くあります。「地域猫活動」は、推進しようとする人たちが中心となり、行政への相談と、困っている人の理解と協力を求めて進めて行ってください。それぞれの地域により状況は異なります。各地域の事情に応じた「地域猫活動」が広がり、人も猫も安心して暮らせることを願っています。