お世話しよう
週齢・月齢に合わせたお世話をしながら、成長を見守ります。
引き続き、「保温(体温維持)・哺乳・排泄」は重要です。
ケージを用意し利用すると、安全にお世話でき、仔猫もケージに慣れやすく、飼いやすい=譲渡しやすく育てられます。
お世話ができない状況によっては、費用がかかっても一時的に動物病院や慣れている人にお願いすることも、有効でしょう。
そして、仔猫の今後のことも考えていきましょう。
●家に先住動物がいる場合
すぐに会わせず部屋を別にするなど、いる空間を分ける。感染症の潜伏期(まだ発症していない状態)の可能性を考慮し、最低10日から1ヵ月間(検査結果などによって獣医さんの指示をあおぐ)仔猫を隔離する。病気や寄生虫が先住動物にうつるリスクを減らし、新しい動物が来たことによるストレスの対策にもなる。
- 部屋を別にできない場合は、ケージを利用し、タオルやシーツなどで覆って空間を分ける。
- 一時的に洗面所などを利用してもよい。
- 手洗い、手指の消毒、換気をこまめに行う。
- 仔猫に使った物や食器の洗浄・消毒や、排泄物の処理に気をつけ、先住動物と接触しないようにする。
●体重管理
仔猫は日々成長し、体重が順調に増えないと命にかかわることもある。
毎日同じ時間に体重を測り、記録し観察するとよい。
- キッチンスケールを利用し、ボウルや箱に入れて測る。
- ミルクを飲んだ量、排泄の有無なども一緒に記録するとよい。
- 体重が増えなかったり減ったり、元気や食欲がないなど様子がおかしい場合は、動物病院に相談する。
●生後1ヵ月以降の仔猫に必要な事
生後3週齢を過ぎたら離乳食を経て仔猫用のフードに移行するが、消化能力は未熟なので、1日数回に分けて与える必要がある。
体温調節も未熟なので、引き続き温度管理は重要。冬の保温はもちろん、夏の気温の低い時や冷房の効きすぎに注意し、体温を維持すること。
排泄は自分でするようになるのでトイレを用意してあげる。ほとんどの場合難なくトイレで出来るようになるが、尿と便の回数、量、状態はよく観察すること。
●混合ワクチン(3種・5種)
母猫からの移行抗体が切れ、感染症にかかりやすくなる。ワクチンの種類や接種のタイミングは獣医さんと相談する。
- 1回目 生後8週齢~10週齢
- 2回目 1回目から3~4週間後
- 3回目 2回目から3~4週間後(獣医師の判断で2回までのケースも有)
- その後 3回目(もしくは2回目)から1年ごとに接種。
●ウィルス検査(猫エイズ・猫白血病)
保護してすぐの検査では、潜伏期間の可能性がある事と、母猫の移行抗体の影響で、正確な結果が得られないことがある。
- 生後3ヵ月以降(それ以前に検査した場合は再検査するとよい。)
●不妊去勢手術
動物病院によって手術できる月齢が違う為、前もってよく相談すること。
猫の性成熟は個体差があり、早くて生後4ヵ月くらいから妊娠する可能性がある。
未手術のオスメスが一緒にいる場合は、部屋やケージを分けるなどして、安易な繁殖をしないように気を付けること。
- 生後約6ヵ月以降(一般的な動物病院の目安)
●人慣れしていない仔猫
日常的なお世話や、ふれあいを通じて人との生活に慣れさせ、「緊張・怯え・逃げ惑う・威嚇する・攻撃する」などの状態を改善する。
根気よく愛情をもって接することで、人との信頼関係も築かれていく。
- エサやおやつをあげながら撫でて触れられる事に慣らす。
(ハブラシなどを利用して撫でても良い) - エサやおやつを人の手からもらう事に慣らす。
- 乱暴に扱ったり、大きな音を立てて刺激しない。
- おもちゃなどでじゃらして遊ばせる。