Q10-2 保護の前に準備すること
事前の準備が大切です
いざ猫を保護しようと思っても、何を用意すればいいのか迷うこともあるはず。猫の状況や性格、周囲の環境によって必要な物は変わりますが、事前に備えておくことで、猫にも人にも負担の少ない保護が可能になります。
●捕獲・移動用のキャリーケース(場合によっては捕獲器)
外で暮らしている人慣れしていない猫はもちろん、普段は慣れている猫でも、急な環境の変化によってパニックになることがあるので、安全のためにも必ずキャリーケースを用意する。動物病院や災害時の移動にも必要となる。
脱走・ケガの防止のため洗濯ネットも準備しておく。
捕獲が難しい場合は捕獲器を使用するほうが安全で、無理に追いかけて捕まえるより、猫の負担も少ない。
※あわせて Q7-1 、 Q1-1 、 Q1-2 も参考にしましょう
●室内飼育導入のケージ(2段以上)
猫は狭いスペースが落ち着くので、いきなり室内に放すと家具の隙間などに潜り込んで出てこなくなることも多い。まずはケージでの生活から始めると安全。2段以上のケージがあると上下運動ができ、寝床、食事、トイレの場所を確保しやすい。
先住猫がいる場合は、感染症予防のための隔離や、テリトリーを保ち少しずつ慣らしていくのに二段ケージが有効である。
ケージを毛布やタオルケットなどで覆うと、猫が落ち着きやすく、温度調節にも役立つ。
●脱走対策
特に環境が変わった保護直後や慣れ始めには、思わぬ行動で脱走することが多いので、万全な対策を講じる意識が重要。
まずはケージを置く部屋の安全対策から始めることが大切。部屋の出入り口や隙間を二重構造にする。
家族で気を付けることを共有しておく。(ドアや窓は必ず閉めてからケージのドアを開けること、閉め忘れがないか再度確認すること、etc.)
※あわせて Q10-3 も参考にしましょう
●生活用品
- 体格に見合った、ケージ内に置ける大きさのトイレと猫砂。
- ライフステージ(仔猫・成猫・高齢猫)や栄養状態に合ったキャットフードやおやつ。環境の変化で食欲が落ちることがあるため嗜好性が高いものを数種類用意しておくと安心。
常に新鮮な水が飲めるような、水と給水器。こぼれ防止のため、ケージに取り付けられるタイプがおすすめ。- ペット用ウエットティッシュなどのケア用品。汚れていても、猫の負担が大きいのでシャンプーをすることは避ける。暴れて手が付けられなくなることや、咬まれる危険性があるため注意。
- 温湿度計、エアコン、ペットヒーター、保冷剤などを活用し、快適な室温を保つ。
<ケージ内のおもちゃについて>
保護直後の猫は環境の変化で緊張しており、すぐにおもちゃで遊べる子は多くありません。
「退屈しないように」「気が紛れるように」と良かれと思っておもちゃを入れたくなるかもしれませんが、紐・スポンジ・小さな部品などのあるおもちゃは誤飲の原因になります。
ストレスから噛みちぎり、破片を飲み込んでしまう事故も起こりやすいため、ケージ内には誤飲の心配がないダンボール箱や爪とぎなど、安全な物だけを最低限置くようにしましょう。留守中や目を離す際は特に注意。
●動物病院に相談 捕獲後すぐに連れて行けるよう、事前に動物病院へ連絡し、地域猫を保護する予定であることを伝えておきましょう。受け入れの可否や診察の流れについて、事前に打ち合わせをしておくと安心です。
※あわせて Q7-3 も参考にしましょう





